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(その1に戻る)

2005年1月30日(日) (その2)
12:19 鹿肉&紅茶 すてきワイルドライフ そして!一同にふるまわれたのは、鹿肉。鹿ですよ、鹿。
 アリンコ掲示板(あにまりあの掲示板)に日々つどうアリンコ仲間の土生さんからあべさんに贈られたものだという。きゃー、すてきー。
 土生さんも、あべさんも、ほんとうにいい人だ。
 で、いただく。
 んめーっ。
 どういう下味がついていたのかは伺うのを忘れたが、鹿、うまいよ。鹿を見る目が変わったよ。
 んめーっ。
 肉に味がある。でもって、脂が少ないからさっぱり。
 んめーっ。
 焼き加減もまたちょうど良くって、やわらかジューシー。
 んめーっ。しつこいですか?
 後日テレビを見ていたら、奥多摩で害獣駆除で撃った鹿を観光の目玉として売り出そうとしている、というニュースがあった。鹿尽くしにするために、揚げたり燻製にしたりいろいろしていたようだが、ここで食べた炭火焼には及ぶまい。肉がうまいんだから、いろいろ手を加えないほうがいいんじゃないの。
 と、思わせる味であった。
 でも、奥多摩、行こうかしら。

 鹿肉レポート、長いですか?
 最後にこれだけは言っておく。土生さんも、あべさんも、ほんとうにほんとうにいい人だ。
 ごちそうさまでした。
とりあえず人相が特定できないように配慮しつつ、雰囲気をお伝えしたつもりですけど・・・。だめ? と、舌鼓をうつあやしい3人組。撮影者を入れると4人組。
 右から反時計回りにシン・ハン氏、つくば・あべ氏、ゾマホン氏。ゾマホン氏の右側に私の影。
 いかがですか、山道を歩いていて、いきなりこういう光景に出くわしたら。
 そういう、かわいそうな旅人がいなくて本当によかった。
 何の肉だかわからないものを焼いて食い、かたわらにはうじゃうじゃ蠢く虫がいっぱい入ったタッパウェア。あたりには割った竹が散乱。しかも初対面なので会話が妙にぎこちない(あべさんとシン・ハンさんは第1回採集会で対面済みでしたが)。

 このときまでに、新鋭ゾマホン氏も竹からミカドのコロニーを出していた。
 左の写真で彼の視線と左手を釘付けにしているのがその獲物である。
ご満悦ゾマホン氏 あらためてカメラを向けると、このご満悦ぶりである。
 くやしい。私だって。覚えてろよ、高校生め。いがぐり頭のくせに。
 そういったどす黒い感情はおくびにも出さず、にこやかに談笑タイムは過ぎていく。

 シン・ハン氏に「日本産アリ類画像データベース単語帳」を見せてもらう。力作。すげえ。
 写真はシン・ハン氏のサイトの「採集会」コーナー掲示板に・・・あ、こないだログを失くしたっておっしゃってました。けどココにこうやって書いておくと、きっとすぐに「画像投稿掲示板」に復活すると思いますので、そちらを見てください。
 ちょい大き目のリング式単語カードといった体裁で、表に名前と写真、裏に特徴などの情報が1枚ごとに1種ずつぎっしり印刷された分厚い紙片の束である。
 画像と情報は日本産アリ類画像データベースからの引用であるというが、これを一太郎で作り上げるという努力には心底頭が下がる。データベースには、273種のアリが登録されているらしいが、小笠原にしかいない種などの激レアものは不要なので、採集する可能性のあるものに絞った厳選単語帳である。それでも100枚くらいはあったであろうか(枚数聞いたと思うんですが忘れました)。採集会で捕獲したアリを同定するのに、非常に便利なしろものだ。「日本産アリ類全種図鑑」は重いからね。
 この単語帳、2セットあって、うおおおおとか叫びながら皆で回し見た。
 後から思い出したのだが、シン・ハン氏、この血と汗と涙の結実した成果を、豪儀なことにプレゼントしてくれるとおっしゃっていたのだった。そうだよ、あれ、あたしのもんだったんだよ。(すっかりもらった気でいる)
 そーんなことはすっかり忘れて、「いや、いいものを見せていただきました。ありがとうございました。」とか言って返しちゃいました。
 あのときの微妙な空気の流れは、そういうことだったんですね、シン・ハンさん・・・。ご好意を無にしてごめんなさい。いや、それよりも、あの分厚い単語帳をなんの労力も払わずに手に入れるチャンスを逸してしまったことがっ。・・・「それよりも、」じゃありませんね。
 みんなも、何かの機会があったら、シン・ハンさんにおねだりしてみよう!
 あんまり調子に乗ってると叱られそうなのでこのくらいにしますが、アリを野外で採集する場合に必携、といっても過言ではないこの単語帳。データベース作成グループの方々とうまく連携してネットで公開とかしていただける日がくると、いいなあ。

 ちなみに、いがぐりゾマホン氏のこの単語帳に対するコメントは、「電車の中とかで覚えるんですか?」であったことを付け加えておく。いや、覚えてもいいんだけど。
 ・・・今ふと、シン・ハン氏が電車でうれしそうに暗記している姿が目の前に浮かんだが、気のせいですよね。
ごちそうさまでした ぽかぽかする日差しの中、んまい鹿肉と甘みのあるフレーバー系の紅茶(これもたいへんおいしゅうございました)を味わいながら、アリンコの話をする。あー、シヤワセ。
 
 あべさん、本当にごちそうさまでした。
13:05  さて、休憩タイム終了。
 本日は「朝飯はしっかり食ってこい」というお達しが出ていたので、腹いっぱいで来ている。
 ごはんは採集会が終わるまでおあずけだ。ワン。
 ここらで私もアリを出さねばなるまい。なるまいっつってんだから、アリ、逃げ隠れしないで出てこいよ!この卑怯者め!

 気合もむなしく、ハチだけがお友達の時間が過ぎる。
 するとまた竹からミカドが出たとの声。(このへんの前後関係はほとんど忘却のかなただけど)
 見ると散策路まで運ばれた直径10センチ弱くらいの竹の割り口からミカドオオアリがわらわらと出ている。働きアリもでっかいが、羽アリ(雄)がけっこうな割合で混ざってて、これが羽根の分だけさらにでかい。
 竹の中でウロウロしているのもいるが、見る間に四方八方へ逃げていく。
 まずは竹の中身をざっくりタッパの中へ移すシン・ハン氏。あたりに逃げ出したやつらを捕まえてはタッパに入れていくゾマホン氏とわたくし。あー、アリもこんくらい大きいと、手で捕まえられるね。
 休憩タイム以外、この日はずっと軍手をはめていたので、噛まれる心配もない。
 でかいったって、アリのアゴは軍手を通すまい。
 枯葉の中を逃げ惑うノーブルなミカドオオアリを次々とつまみあげていく。あははー、楽しいねー。
 ・・・これが、自分で出したやつだったら・・・。くっ。
ゾマホンさんっ、食っちゃ、食っちゃだめだ! ゾマホン氏はさっそく捕まえたコロニーに女王が含まれていないかどうかをチェックし始めた。
 妹御から無断で借りてきたという絵の具筆でタッパの中をまさぐる。
 おにいちゃん、妹さんにはくれぐれもバレないようにしたほうが、いいと思うな。
 タッパの上端にはシン・ハン氏がすっと差し出したベビーパウダーがたっぷり塗られていて、逃亡を防いでいる。くぅーっ、シン・ハンさん、至れり尽くせり。感服つかまつりました。

 なんで女王の有無が大きな問題かというと、コロニーにおいて卵を産むのは女王だけである。
 もし、女王がいなければ、今ある幼虫が全部働きアリになって寿命を迎えたら、このコロニーは終わりなんである。
 女王がいれば、彼女が卵を産み続ける限り、このコロニーは存続する。つまり飼い続けられる。
 働きアリの寿命は1、2年、女王アリの寿命は10〜20年だそうである。女王アリは昆虫界一の長生きなのである。
 以上、ここを読んでる大半のアリンコ玄人には言わずもがなっちゅーか、釈迦に説法っちゅうか、なんか余計なこと書いてやしないか心配な感じですけど、「ああこいつもちっとはモノを覚えたな」くらいにホホエましくご覧いただけたら幸いです。
 ついでに誤りはビシビシ指摘していただけると助かります。あとでこっそり修正します。
タッパの中(ミカドオオアリ) これが上でゾマホン氏が覗き込んでいるタッパの中身。
 枯葉の上でごはんつぶみたいに見えるのが、幼虫である。
 なぜか羽アリが写っていないが、いたはずである。私の記憶では。
 あと、なんかミカドにしては小さい気がするが、それもきっと気のせいである。
 タッパが大きいからね。相対的に小さく見えるんだよ。うん。
 で、女王、いたんだっけ?あれ?


 えー、すっかり記録としての役目を放棄している状態だが、まあ、大事の前の小事である。
 大事とは何か。
 私がアリを出すことである!

 ・・・うーんうーん、確かね、この日ゾマホン氏は竹からミカドをいっぱい出したんだけど、そのうちの1コくらいは女王がいたように思うな。
 これ以上は、正座の上に石をのせられても思い出せません。
 (新情報が得られたら書き足します・・・)
13:20頃? 割って割って、吸って吸って(紺色の物体はシン・ハン氏の電動吸虫管) こうして少しずつ竹や枝が割られ、アリが出れば各自が持参したタッパに入れられていった。
 獲物はなぜか、みな散策路に並べられていく。
 そしてミカドが出た割れ竹も。
 きーっ、見せつけてるわ!このあたしに見せつけて悔しがらせようっていうのね!きーっ、悔しくなんかっ!こんなっ、こんな竹なんてっ!

 ふと見ると、さっきアリ拾いを楽しんだ竹の反対の端付近を、ミカドが数匹歩いている。
 拾い残しかとかがみこんでみると、羽アリも含めけっこうな数がいる。
 傍らの竹には割れ目が。
 中に。
 いっぱい。
 ミカドが。
 改行多すぎですか。

 結論から申しましょう。
 祝・アリさんこんにちは。
 いやー、長かった。長かったよーっ。男泣きに泣いちゃうよーっ。女だけど。

 なんか出た経緯が納得いかないっちゅうか、ゾマホン氏のおこぼれみたいなところがちょっと気になったりもするわけですが、そこはまあ、それ、結果オーライ。
 で、見つけた後どうしたかというと、もちろん、ご注進ですよ。
 「ミカドがいますよ」なんつって。
 自らは突っ立ったまま。
 親切なシン・ハンさんとゾマホン氏がタッパに入れてくださいました。
 しかし、ミカドオオアリなんざ連れて帰る気はさらさらありません。出てくださったお気持ちはたいへんうれしいのですが、こーんなでかいヤツがひとつ屋根の下にうごめいているというのは、ダメです。ありえません。身長4mm以上はお断りです(女王は7mmまで可)。

 竹を割れない女を憐れんでシン・ハン氏がナタを貸してくださるというお申し出を、むげに断って(だって自分で割るのめんどくさ・・・あ、いやその、あたし剪定鋏好きだから・・・ね!)、次の獲物を探しに出かける。
 行け、アリハンター。
 もうすっかりごきげんさんである。
雑木林の空ちょっと向こうにきらめく池 いやー、空が青いね。すがすがしいっ。
 宍塚大池には渡り鳥が。うん、自然バンザイ。
 そんなごきげんさんから、ここでワンポイントアドバイス
 ミカドオオアリなどの竹から出るアリンコを採集する際には、できるだけ大きめのタッパを用意したほうがよい。
 普通の弁当箱サイズやちょっとしたおかずの余りを入れるような大きさのタッパでは作業効率が非常に悪くなる。
 大きければ、竹の一節にどわーっと広がっているヤツらを一気に払い落とすことができるからね。
 えー、私が用意したタッパの最大サイズは、10センチ角くらい。甘う、甘う見ちょりました。すんまっせん。
 タッパを貸してくださったのもシン・ハン氏であります。もうほんとに何から何まで、すんまっせんです。
はいはい、ハチね。(とっくり)はいはいはい、ハチね。え?カミキリ?(開けようともしない) 一度アリを出してしまえば、ハチを見ても気にならなくなるのが人間の不思議なところである。
 私もひとまわり大きくなったな。
 左は竹の裂け目から垣間見える、泥でできたトックリ×3個。ハチだよねー。そうねー。
 右はもうぜったいハチがぎっしり詰まってるに違いない竹。こんだけ穴が開いてると、間違いない。
 この穴はハチが開けるんじゃなくて、カミキリムシが開けるんだと聞いたような気もしますが、忘れました。
 どっちの竹も開けません。
 あたくしの獲物はアリンコですもの。
>いい気分でつづく